発題題目・概要
(2025年2月公開予定)
【参照】2024年3月のオンライン交流会の発題題目と概要は、
以下のページをご覧ください。
前半(21:05~22:00)の発題題目・概要
発題番号(1)
日本語学習者の形式名詞につく格助詞の使用に関する考察と日韓学生オンライン交流プロジェクト
梅林佑美(京都外国語大学大学院生)
※グローバル人材奨励プログラム採択者
日本語学習に対して高いモチベーションがあるのに日本人と関わる機会がない韓国人日本語学習者と、日本語教師を目指しているけど学習者と関わる機会が少ない日本語母語話者。そんな日韓の学部生と対象に、オンライン交流プロジェクトを立ち上げ、学生交流を行いました。当日は、活動の結果やプロジェクト参加者の声など詳しく報告し、教育現場が抱える課題やリアルな声、課題の解決策などについて意見交換などができればと思います。
発題番号(2)
インドネシアの日本語教育現場におけるステレオタイプと言語学習の結びつき
中西梓 (広島大学大学院)
※グローバル人材奨励プログラム採択者
皆さんは、日本人または日本文化といえばどんなイメージが浮かびますか?そのイメージはどのように作られたのでしょうか。筆者はインドネシアの日本語学校におけるフィールド調査を通して、インドネシアの日本語教育現場ではどのような日本の文化・人種・ジェンダーへのステレオタイプがつくられているのかを調査しました。調査の結果を踏まえた上で、ステレオタイプと言語学習の結びつきについて意見交換ができればと考えております。
発題番号(3)
海外での活動を応援!2024年度「日本語教育グローバル人材奨励プログラム」説明会
日本語教育学会国際連携委員会
公益財団法人日本語教育学会では、一般社団法人尚友俱楽部の助成を受け、日本国内の日本語教育分野の若手研究者・実践者が海外の日本語教育現場の協力者とともに活動を行う際の費用の一部または全額を支援する「日本語教育グローバル人材奨励プログラム」を行っています。このブースでは2024年度プログラムについて募集担当による説明会を実施します。交流会の前半・後半のどちらも行います。ご関心のある方はぜひお越しください!
発題番号(4)
生活者の日本語教育に関わる多様なコーディネーターの実践と視点 〜どうなってる? どうなってほしい? これからの地域日本語教育〜
西山陽子(特定非営利活動法人国際活動市民中心)・油川美和(地域日本語教育コーディネーター(県))・ 内山夕輝((公財)浜松国際交流協会)・ 栗又由利子(株式会社きぼう国際外語学院/TABUWATA(多文化共生に興味あるんです、私 )、髙栁なな枝(地球っ子クラブ2000)・ 藤波大吾(岩手地域日本語教育コーディネーター)・ 松岡純子(文化庁地域日本語教育スタートアップ事業地域日本語教育アドバイザー)・三田眞理子(国際交流の会・かるみあ こおりやま日本語教室)
文化庁地域日本語教育コーディネーター研修で出会った8名のコーディネーターが参加します。自治体、国際化協会、企業、NPO、任意団体に所属し、異なる立場で活動しているコーディネーターの職務内容や職務範囲を照らし合わせ、それぞれの立場から今地域日本語教育について考えていること、これからの展望を語ります。
発題番号(5)
自由な会話がもたらす地域日本語教育の実態と効果 −日本語会話サークルから参加者の学びを捉えるインタビュー調査と参与観察による分析−
久保田裕紀(北九州市立大学文学部人間関係学科)
本研究では、日本語教育と地域日本語教育の違いについて意識しながら、地域日本語教育の一環である日本語会話教室の展開とその役割を明確にし、参加者の日本語能力の向上以外の学びとしての自己の変容と、地域日本語教室の会話での話題選びとアプローチから日本語会話教室の効果を分析することを課題として設定した。研究の方法として、実際に自由会話が行われている日本語会話教室である、北九州学術研究都市の日本語会話サークルでインタビュー調査と参与観察を行った。特に、本研究の仮説に基づいて、この実践を地域日本語教育の「学習者の継続性」の課題を改善する可能性のあるものかどうかを明らかにした。さらに、本研究で調査した実践は留学生に対して行われている日本語会話教室であったため、留学生を地域の日本語学習者として位置付けながら、彼らの抱く問題やニーズの一部を地域日本語教育が解決する可能性についても同時に示した。
発題番号(6)
オンライJLPT認定上級者の口語表現の問題についてー JLPT認定N2レベル・中・上級の日本語学習者の口語表現の問題点とその解決について
芹田綾乃(会社員)
JLPT認定N2など上級レベルの学習者でも、自然な日本語の発話に困難さをもつ学習者がいる。日本に定住するにあたり、より流暢に話したい、という希望をもつ学習者に、正しい文法指導だけでなく、どのようすれば自然な日本語の発話に結び付くかその解決への論理的な指導方法の道筋をさがし、上記のような学習者、および、指導者の一助となりたいと考えた。
発題番号(7)
日本語学習者の複合語における解釈
向井真樹子(高知県立大学文化学部)
今回の話題提供では、発表者が現在科研費プロジェクトとして実施している「再帰複合語の分析」の応用の研究で研究協力者を依頼したいと思っている。「再帰複合語」とは、例えば、e.g., peanut butter sandwichは、peanut butterが複合語であり、sandwichを修飾しており、ピーナッツバターが塗られているサンドイッチという解釈になる。日本語学習者が再帰複合語をどのように解釈するのか、様々なヨーロッパ言語話者の学習者を対象に一緒に研究しませんか。
発題番号(8)
日本と複言語主義・複文化主義に基づいた非漢字圏の漢字指導 ―できる漢字指導を目指してー
倉八順子(東京富士語学院・和洋女子大学)
CEFR2018cvには複言語主義について、言語教育の目標は自信を育て、寛容性を育てるとあります。CEFRに基づいて作成された<日本語教育の参照枠>の言語教育観の柱の一つに「言語を使ってできることに注目」するとあります。非漢字圏の漢字教育において、どのような教え方をすれば、自信を育て、寛容性を育て、漢字が学習者にとって経験に紐づけられたできるもの(記号接地)となっていくのかについて実践報告を行い、世界中のみなさまと議論できたらと考えたいと思っています。
発題番号(9)
日本語教育が関わる実社会で言語研究の知見をどのように活かせるか
中井延美(明海大学)
言語研究に携わる発題者は、その知見を、実社会の諸現場でどのように活かせるかという問題に大きな関心がある。日本語教育、専門日本語教育、地域日本語教育などの現場では、教える側と教えられる側の双方に対して、言語研究の知見を基に貢献できる要素が少なくない。交流会では、発題者自身の取組みを紹介したのち、今後の検討事案(例:言語学ゼミでの留学生用の上級コンテンツ)を提示し、皆さんと意見・アイディア交換したい。
発題番号(10)
日本語学習者の授業への参加を促すための授業作り
安芝恩 (長崎外国語大学 非常勤講師)
授業を進める上で、日本語学習者とのやり取りは必要不可欠である。また、グループ・ディスカッションやディベートなど日本語学習者同士の活動では、より積極的な参加が求められる。しかし、性格やクラス環境など何らかの理由で日本語での発話を控えるケースが多々ある。そこで、如何に日本語学習者の授業への参加を促すための授業作りができるかについて、現場で活躍している日本語教育関係者の方々に意見を伺いたい。
発題番号(11)
海外の高等教育機関における日本語音声教育ー教師の教育観と指導実態を中心にー
劉 羅麟 (東京大学)
※グローバル人材奨励プログラム採択者
発題者は中国における日本語音声教育の現状を把握するために、本学会2023年度グローバル人材奨励プログラムおよび早稲田大学研究助成費による助成の下で、2023年8~9月の間に一連の活動を行った。今回の交流会では、活動の成果としてアンケート調査の結果および中国5都市9大学への訪問について簡単に紹介する。そのうえで、日本語による音声コミュニケーションの機会が限られる海外環境における音声教育の現状と将来について、来場者と意見交換を行う。
発題番号(12)
オノマトペの習得状況と音象徴理解の関係に関する研究 ―第二言語としての中国人日本語学習者を対象として―
清水郷美(お茶の水女子大学大学院生)・柏晨悦(お茶の水女子大学大学院生)
オノマトペの意味には、それを構成する音が喚起するイメージ、すなわち音象徴が深く関与している。音象徴は言語の枠を超えた普遍性がある一方で、言語個別性があり、それがL2話者にとってのオノマトペ習得の難しさの一つだと考えられてきた。しかし、L2話者が日本語の音象徴を習得することは本当にないのだろうか。本研究では、L2話者を対象に音象徴理解とオノマトペの習得状況の関係を究明し、オノマトペの指導可能性を探っていきたい。
発題番号(13)
6か国をつなぐオンライン交流活動「Nihongo Movie Project」ー1年半の展開と課題ー
大竹春菜(筑波大学大学院生)・友宗朋美(筑波大学大学院生)・陳雨詩(筑波大学大学院生)・劉悦(筑波大学大学院生)
授業の外でも日本語を使用した自己表現ややりとりができる場の構築を目指し、Padletを用いた動画と写真による発信・交流活動を2022年より実施しております。1年半の活動の中で、参加の促し方や学習歴が異なる学習者同士の交流方法など様々な課題が見えてきました。初期から現在にかけての展開や工夫、課題を共有し、意見交換ができればと思います。ご興味をお持ちいただいた先生方、ぜひ2024年度の活動にご参加ください。
発題番号(14)
多読で変わる?!継承語学習者への多読の魅力と効能
髙橋 温子(Smith College、アモースト日本語補習校、NPO多言語多読)
海外の継承語教育で文科省の教科書を使用しながらの読み書き学習では、特に小学校3年生を境に大変難しくなり、学習が嫌になってしまう子供が増える傾向にあると言われています。本発題では、多読は母語習得と類似した学習法であり、継承語の子供にも有効な日本語習得法の一つではないかと考え、米国補習校のJHLとJSLクラスで多読図書を使った実践を例に、継承語学習者への多読の魅力と効能、支援ついて皆様と考えたいです。
発題番号(15)
[発題辞退]
発題番号(16)
翻訳の改善策
ガウリ
はじめまして。英<->日翻訳者を務めているガウリでございます。今までの経験をしたものを参加者の皆さんと共有したいと思います。特に、英<->日の翻訳の際に知っておくと便利なところを発題したいと思います。
発題番号(17)
「性を切り口にした授業実践の豊かさ-希望と課題を共有しませんか-」
萩原秀樹(インターカルト日本語学校)
性の話題を扱う…と聞くと,疑問符が浮かぶ方もいるかもしれません。関心はあるけれどためらってしまう,どうしよう…そんな思いを抱える方もいるでしょう。でも,学習者はとても能動的に参加します。なぜなら,学びを欲しているから。性を切り口にした日本語教育実践を試みたい方,実践中の方,学習者の成長に少しでも寄与したい方,興味津々,でもまだ…という方。そんな皆さんと意見交換をしたいです。よろしくお願いします。
発題番号(18)
教室研究の魅力を紹介ー日本語の教室研究をしてみませんか
加藤伸彦(京都外国語大学)
みなさんは、日本語を学ぶ教室内でどのようなやり取りが行われているのか、教師や学習者は教室内で何を考え何を学んでいるのか、研究してみたいと思ったことはありませんか。この発表では、外国語教室研究の著作・論文の一部を紹介することで、その魅力をお伝えするとともに、教室研究に興味がある研究仲間を増やしていけたらと思っています。
発題番号(19)
日本語中級レベルの医学部留学生を対象とした「内容重視」の授業実践報告
山口真葵(明海大学)
私は、医療大学において日本語中級レベルの医学部生を対象とした日本語授業を担当し、「内容重視の日本語教育」として「医療知識がない人に病気についてわかりやすく説明する」ことを目標としたプレゼンテーション授業を実施いたしました。「高度に専門的」である医学を学ぶ留学生を対象とした「内容重視」の日本語教育の実践例は少なく、悩みながら授業を構築いたしました。本発表では実践の紹介と効果についてご紹介したいと考えております。
発題番号(20)
非流暢性の教育
舩橋瑞貴(日本大学)・定延利之(京都大学)・ 昇地崇明(ボルドーモンテーニュ大学)・ 須藤潤(同志社大学)
近年、学習者だけでなく母語話者も基本的に非流暢であることが明らかになってきました。この認識に基づき発題者らは、学習者の非流暢性を(抑え込んで無理にアナウンサーのように話させるのではなく)母語話者の非流暢性風に転化させて自然に聞こえさせる、非流暢性の教育を試みています。その一環として行っている非流暢な言い方「つっかえ」(定延2019)の教育を材料とし、指導が学習者の発話に与える効果や指導法のあり方等について、広く意見交換を行いたいと思います。
発題番号(21)
アメリカ公立小学校における日本語イマージョン教育の事例
河村 明里(南山大学学部生)
※グローバル人材奨励プログラム採択者
イマージョン教育はバイリンガル教育の一種であり、学習者を目標言語の環境に「浸す」ことで言語習得を促進します。発表者はアメリカの公立小学校で行われている日本語イマージョン教育の現場で、授業観察と教師へのインタビューを実施しました。得られた知見を通じて、良い点や改善の余地などを共有します。また、イマージョン教育以外の現場でも活用できる授業のアイディアや指導方針について、皆様と意見交換したいと考えております。
発題番号(22)
言語教育で「年齢らしさ」をどのように扱うことができるのか―韓国の日本語教育機関でのフィールド調査から考えたこと―
吉井雄樹(関西学院大学大学院)・ 岡本舞夏(関西学院大学大学院)・ 金侑蘭(関西学院大学大学院)
※グローバル人材奨励プログラム採択者
年齢」は人々の自己を形成する要素のひとつだと思います。そこには多様なあり方があるはずですが、「n歳/n代/x世代は~だ」という紋切り型の表現も耳にすることがあります。私たちは、韓国の大学でのフィールド調査を通じて、「年齢を尋ねる」文型の扱いや「年齢」に与えられる「知」を手がかりに、日本語教育で「年齢らしさ」をどのように扱うことができるのかを考えてみました。交流会当日は、フィールド調査で得た成果とその振り返りを共有します。私たちと一緒に「年齢」について改めて考えてみませんか。
後半(22:00~22:55)の発題題目・概要
発題番号(23)
異文化間教育のここ、そこ、あそこ
成利楽(長崎外国語大学)
※グローバル人材奨励プログラム採択者
あなたが思う日本文化、あるいは異文化教育の目的は何でしょうか。その答えは十人十色のはずです。日本の文化を知ってもらいたい?それとも、異なる文化背景を持つもの同士に、お互いの文化を理解しあいながら、効果的にコミュニケーションをとってほしい?私たちのグループは、異なる立場にある「にほんご人」の考える異文化教育の目的について調査しました。当日のセッションでは、その調査結果を共有しながら、皆さんとともに異文化教育の「ここ、そこ、あそこ」を探っていきたいです。
発題番号(24)
中国の中等日本語教育事情と実態 ―国籍を超えた教師間協働に向けて―
岩崎みなみ(文教大学)
※グローバル人材奨励プログラム採択者
私は、2023年11月に中国の中等教育の有識者2名を対象にインタビュー調査を行いました。その結果、現在の中国の中等日本語教育の現場が変革期にあることが分かりました。交流会では、調査結果と課題の共有を行ったうえで、変革による日本語教育の現場への具体的な影響や、変革に対応するため、日本人日本語教師は中国人日本語教師とどのように関わっていくとよいか等について、皆様と意見交換ができたらと考えております。
発題番号(25)
AI機械翻訳利用の影響と日本語学習でのAI機械翻訳の活用方法の検討
寺門芽衣(大学生)
※グローバル人材奨励プログラム採択者
近年、機械翻訳の性能が向上し、さまざまな場面で活用されている。言語習得学習における活用も検討がなされており、例えば機械翻訳の利用が英語学習に対してポジティブな影響を与えること等の報告がある。そこで、機械翻訳の利用が日本語学習にどのような影響を与えるのか「書く」、「読む」、「聞く」に関する3つの実践を通じた調査により明らかにし、日本語学習における機械翻訳の有効的な活用方法を検討・提案する。
発題番号(26)
海外での活動を応援!2024年度「日本語教育グローバル人材奨励プログラム」説明会
日本語教育学会国際連携委員会
公益財団法人日本語教育学会では、一般社団法人尚友俱楽部の助成を受け、日本国内の日本語教育分野の若手研究者・実践者が海外の日本語教育現場の協力者とともに活動を行う際の費用の一部または全額を支援する「日本語教育グローバル人材奨励プログラム」を行っています。このブースでは2024年度プログラムについて募集担当による説明会を実施します。交流会の前半・後半のどちらも行います。ご関心のある方はぜひお越しください!
発題番号(27)
地域日本語ボランティア養成講座終了後のつながりづくり―長崎県での取り組み―
和田一菜(ながさきWell-beingミライ研究所)・佐野香織(ながさきWell-beingミライ研究所)
【ながさきWell-beingミライ研究所】は、地域日本語ボランティア養成講座後にうまれた長崎県内のネットワークです。試行錯誤しながら活動を続けていますが、みなさんの地域ではどのような取り組みが行われていますか?意義を感じること、困っていることなど、地域のつながりの多様な在り方について、交流会にご参加のみなさまとともに考えたいと思っています。
発題番号(28)
日本語教師養成について
清水泰生(同志社大学)
日本で日本語教師国家資格化が今年4月に始まり、教師養成講座や日本語教育機関や資格試験等大きく変わろうとしている。海外ではこれらの動きをどう見ているだろうか。海外では教師養成養成をどう考えているのだろうか。また、この動きで問題点、改善すべき点は全くないのだろうか。これらについて、国内外の先生方と意見交換等を行いたい。
発題番号(29)
共同研究者の見つけ方―共同研究に至った経緯の分類―
中川健司(横浜国立大学)
共同研究には、個人の研究者が持っていない①専門性、②多様な視点、③ネットワークが補えるというメリットがある。しかし、そのためには、まず有益な共同研究が行えるカウンターパートを見つけなければならない。本出展では、出展者が過去に行った17回の共同発表に関して共同研究に至った経緯を紹介した上で、自分が求める資質を有する共同研究者とつながるにはどうすればいいかを議論したい。
発題番号(30)
[発題辞退]
発題番号(31)
AI歌に基づいたビジネス日本語教材の開発
劉玲伶(株式会社ProoProo)
本研究では、AIが生成した歌を教材として利用し、学習者が日本語のビジネス用語や表現を効率的に身につける方法を探求しています。実用的かつエンターテイメント性の高い教材を通じて、学習者のモチベーションと記憶力を向上させることを目指します。
発題番号(32)
中国の高校生の「んです」についての理解と使用について
范一楠(横浜国立大学)
※グローバル人材奨励プログラム採択者
(「レポート、まだ出していないですよね?」と聞かれて)「いえ。さっき出したんです。」のように、日本語学習者はどうして「んです」を使ってしまうのだろう。日本語習得の背景がシンプルな中国の高校生を対象に、調査を行いました。その調査結果を共有しながら、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
発題番号(33)
外国にルーツを持つ子どもと保護者との活動について話しませんか?
友宗朋美(NPO多言語・多文化サポートICHI)・樋口尊子(NPO多言語・多文化サポートICHI)・金子美優(NPO多言語・多文化サポートICHI)
私たちは、大阪で外国にルーツを持つ子どもと保護者と活動しています。子どもたちは、学生サポーターと一緒に工作などの活動を通して日本語・日本文化を含む多言語・多文化について学んでいます。今、①活動のテーマや教材探し、②地域の学校との連携の強化、③資金、広報、仲間見つけなどの事業面について悩んでいます。ぜひ一緒にお話しできればと思います。
発題番号(34)
多様性のあるマレーシア社会から学ぶアイデンティティ形成
安蒜ひなた(茨城大学教職大学院)
※グローバル人材奨励プログラム採択者
主に、マレー・中華・インドの三人種から構成される多様性社会のマレーシア。そのような環境で生まれ育ったマレーシア人を対象とし、彼らがどのようにアイデンティティを形成したのかということについて、インタビューを通して分析しました。
発題番号(35)
OJAE(オジャエ)とOJAE道場 ―対話型日本語アセスメントと、それに拠るオンライン教師研修―
萩原幸司(城西国際大学)・ 山田ボヒネック頼子(ヨーロッパ日本語教育学研究所)・梅津由美子(ベルリン日独センター)・酒井康子(ライプツィヒ大学・言語学院)・高木三知子(ブラッセル補習授業校)
OJAE(Oral Japanese Assessment Europe)とは、ヨーロッパ在中の日本語教師達が共同で開発した対話型日本語アセスメント法である。開発した有志達はその後も実践研究を続け、2021年に、OJAEを活かして世界中の日本語教師達が協働で鍛錬できるよう「OJAE道場」をオンライン上に開設し、現在も継続的な教師研修を続けている。これまでの取り組みと問題点を提示し、話し合いたい。
発題番号(36)
日本語母語話者への音声教育について考える
丸島歩(北海学園大学)
学習者音声の研究は音声教育のための基礎研究として扱われることが多いと思われますが、日本における在住外国人の増加と多様化にともない、受け入れ側である母語話者が非母語話者の発話をどう聞けば良いかについても考える必要があるのではないかと思います。学習者音声についての知見をもとに母語話者への音声教育は可能なのか、そもそも必要なのか、あるいは別のアプローチが必要なのか、意見交換ができればと思っております。
発題番号(37)
日本語オンラインボランティアの可能性について―音声SNSとVirtual SNSでの活動比較を基に-
長松谷有紀(桜美林大学)
筆者は2021年から「clubhouse」という音声SNSで「にほんごではなそう」という日本語学習者と一般の日本人のための日本語交流会を190回以上開催している。また、2023年夏からは日本製メタバース「cluster」というVirtual SNS上でも同様の目的で日本語のコミュニティーを形成すべく、努力を続けている。今回はこの2つの場での実践を紹介、比較し、オンラインボランティアの可能性について、多くの方と共有して、今後の展開につながるような話し合いを行いたい。
発題番号(38)
生成AIを使って日本語教師の授業革命を起こすー生成AIを利用してAIに代わることのできない授業を作るにはー
伊原綾花(北海学園大学)
日本語教師という職業は、生成AIを用いた語学学習の質の高さを考えると、必要なくなってしまうのではないかと言われるが、実際はどうだろうか。面白いと人が感じる授業には、予想外の出来事や自分の成長を感じられるような活動があり、教師には教科書に沿った画一的な授業をするよりも創造性が求められる時代になってきた。生成AIに代えることのできない学びを与える授業を多くの日本語教師が実現するために生成AIが使えるか、どのような活用法や理解が必要か、皆さんと一緒に考えたい。
発題番号(39)
語学授業に異文化間教育のエッセンスを取り入れるには
森岡千廣(京都先端科学大学)
※グローバル人材奨励プログラム採択者
多くの語学教師は、学生が目標言語圏との接点を持ち、授業で培った語学力を実際のコミュニケーションに活かしてほしいと願っています。一方で、文化や価値観の異なる人と接するときには、言語に関する知識と同様に文化の知識や異文化コミュニケーション能力が欠かせません。これを言語習得と並行して養うために、語学授業においてどのような工夫をすればよいのか、ぜひ皆様と一緒に話し合いたいと思います。
発題番号(40)
大学における日本語カリキュラムの横断的なあり方について
折本早木子(神戸親和大学)
「留学生40万人計画」や日本語教員の国家資格化など、日本語教育を取り巻く環境は変化しつつあるが、大学での日本語教育プログラムはそれに対応しきれているのか。現状や疑問を共有し、科目や、個々の大学のいう枠をも超えて、横断的なカリキュラムのあるべき姿について皆様とご意見交換したいです!
発題番号(41)
あなたの教育機関・地域・国では、どんな先生が求められていますか
守時なぎさ(リュブリャナ大学)・小野正樹(筑波大学)
文化審議会国語分科会は、2019年に「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(改訂版)」を発布しましました。そこでは日本語教育人材の養成・研修における教育内容が提示されています。この内容は実に俯瞰的な一方、日本と海外では教育内容が多少異なっているという印象を受けます。オンライン交流会では、この教育内容を見ながら、世界各地の現場で求められている教師像について意見交換をしたいと思います。
発題番号(42)
「安心安全の場としての(日本語)教室の作り方のパターンランゲージ」を作るプロジェクト(のご相談)
ブランド那由多(Miduca)
パターンランゲージとは、「よい結果を出すためのコツ」を現場から抽出して、応用しやすい形に言語化したものです。学習者との温かい関係性が印象的な先生方は、教室を「安心安全の場」にするための仕掛けを持っているようです。「クラスづくり」に関しては、学校教育の分野の文献も多いのですが、学習者・授業形態の幅が広い日本語教育の分野で共通している「コツ」を現場から探るプロジェクトが出来ないだろうかと考えています。